Transfer Certificate
バイクの譲渡証明書の書き方——そのまま使える書式と記入例
譲渡証明書は「このバイクを、私からあなたに譲りました」ということを前の持ち主が書面で証明するものです。書く項目は4つだけですが、車名の欄で全員がつまずきます。区分によって法律上の義務かどうかも違います。
書く項目は①譲渡年月日 ②車名・型式 ③車台番号・原動機の型式 ④譲渡人と譲受人の氏名住所の4つ(法第33条第1項)。🔴 「車名」はメーカー名です(「CB400SF」ではなく「ホンダ」)。軽二輪・小型二輪は法律上の交付義務があり、違反は30万円以下の罰金。原付は市区町村の運用なので自治体様式を使ってください。
区分によって「義務」かどうかが違います
自動車を譲渡する者は、次に掲げる事項を記載した譲渡証明書を譲受人に交付しなければならない。
一 譲渡の年月日
二 車名及び型式
三 車台番号及び原動機の型式
四 譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所
ここでいう「自動車」は、同法第2条第2項の自動車です。軽二輪と小型二輪は「自動車」に含まれ、原付は含まれません(第2項が原付を除いているため)。したがって——
| 区分 | 譲渡証明書の位置づけ | 違反したら |
|---|---|---|
| 原付(〜125cc) | 法律上の義務はない。市区町村の運用 | —(窓口で受理されないだけ) |
| 軽二輪(126〜250cc) | 法律上の交付義務(法第33条第1項) | 30万円以下の罰金(法第110条第1号) |
| 小型二輪(250cc超) | 法律上の交付義務(法第33条第1項) | 30万円以下の罰金(法第110条第1号) |
「バイクの譲渡証明書は形式的なもの」と思われがちですが、126cc以上では譲る側の法的義務です。売り主が「面倒だから」と拒むのは、条文上は通りません。
書く項目は4つだけ
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| ① 譲渡の年月日 | 実際に引き渡した日 |
| ② 車名及び型式 | 書類の「車名」「型式」欄をそのまま写す。車名=メーカー名 |
| ③ 車台番号及び原動機の型式 | 書類のとおり。アルファベットの大文字小文字、ハイフンまで正確に |
| ④ 譲渡人・譲受人の氏名または名称および住所 | 住民票のとおり |
写し元になるのは、区分ごとに次の書面です。
- 原付——標識交付証明書
- 軽二輪——軽自動車届出済証
- 小型二輪——自動車検査証
書類を横に置いて、指でなぞりながら書いてください。記憶やカタログから書くと必ずどこかが違います。
そのまま使える書式
A4の白紙に、次のとおり書けば足ります。手書きでも構いません。
譲 渡 証 明 書
下記の車両を譲渡したことを証明します。
車 名 (例:ホンダ)
型 式 (例:BC-NC39)
車台番号 (例:NC39-1234567)
原動機の型式 (例:NC23E)
譲渡年月日 令和 年 月 日
【譲渡人】
住 所
氏名または名称 印
【譲受人】
住 所
氏名または名称
運輸支局の窓口や自治体のサイトに様式が置かれていることがあります。原付は自治体ごとに様式が違うので、新所有者の市区町村のサイトから取るのが確実です。
記入例
軽自動車届出済証にこう書かれていたとします。
| 届出済証の欄 | 記載 |
|---|---|
| 車名 | ホンダ |
| 型式 | MC28 |
| 車台番号 | MC28-1012345 |
| 原動機の型式 | MC21E |
| 総排気量 | 0.24L |
譲渡証明書には、そのまま次のように書きます。
- 車名 ホンダ
- 型式 MC28
- 車台番号 MC28-1012345
- 原動機の型式 MC21E
総排気量は譲渡証明書の記載事項ではありません。書いても害はありませんが、法第33条第1項が求めているのは上の4項目です。
車名の欄でみんながつまずきます
「CB400SF」でも「NSR250R」でもなく、「ホンダ」と書きます。車種名を書く欄ではありません。ここを間違える人が最も多い部分です。
書類にもメーカー名が入っているので、そのまま写せば間違えません。「スズキ」「ヤマハ」「カワサキ」、輸入車なら「BMW」「ハーレーダビッドソン」といった表記です。
定番の取り違えは「0(ゼロ)」と「O(オー)」、「1(イチ)」と「I(アイ)」です。手書きなら、ゼロに斜線を入れる/入れないを書類の表記に合わせてください。ハイフンの有無も書類どおりに。
やってはいけないこと——2通以上の交付
前項の譲渡証明書は、譲渡に係る自動車一両につき、二通以上交付してはならない。
同じバイクについて譲渡証明書を2通作るのは違法です。「1通なくしたからもう1通書いてもらった」というのは、この条文に触れます。
紛失した場合は、改めて1通を書き直してもらう(前の1通は無効であることを明記する)か、支局に事情を説明して指示を仰いでください。
法第110条第5号により30万円以下の罰金です。日付をさかのぼって書く(バックデート)のは、税金の期日をずらす目的だと見なされかねません。軽自動車税の賦課期日は4月1日なので、3月末付にしたい誘惑が働く場面ですが、やめてください。
譲渡証明書は数珠つなぎになります
自動車を譲渡する者は、当該自動車に関して既に交付を受けている……譲渡証明書を有するときは、これを譲受人に交付しなければならない。
A→B→Cと転売されたとき、BはAからもらった譲渡証明書もCに渡さなければなりません。だから中古のバイクを買うと、古い譲渡証明書が何枚か束になって付いてくることがあります。
次に売るときに必要になります。書類一式をクリアファイルにまとめて、シート下かどこか決まった場所に保管しておくのが確実です。
押印は必要か
押印は必須ではありません。法第33条第1項は「記載した譲渡証明書を交付」としか書いておらず、押印を求めていません。実務上は署名または記名押印のどちらかがあれば受け付けられます。
支局や自治体によっては押印を求める運用が残っています。認印で足ります——実印も印鑑証明書も要りません。バイクは登録の対象外なので、四輪の移転登録のような厳格さが持ち込まれないためです(理由の説明)。
原付の譲渡証明書
原付は法第33条の対象外なので、譲渡証明書は市区町村の運用です。そのため——
- 様式が自治体ごとに違います。新所有者の市区町村のサイトからダウンロードするのが確実です
- 自治体によっては、廃車申告書と一体になった様式を使います
- 同居家族間なら簡略化される場合があります(要確認)
原付の名義変更は「旧市区町村での廃車申告」→「新市区町村での標識交付申請」という2段構えです。譲渡証明書と一緒に、廃車申告受付書を必ず受け取ってください。これが無いと②が進みません。詳しくは 原付の名義変更 へ。
委任状が要る場面
バイクの手続きでは、委任状が要らない場面が多いです。四輪の登録手続きが委任状必須なのと対照的です。
| 場面 | 委任状 |
|---|---|
| 原付の手続きを家族が代理 | 自治体による。求められることが多い |
| 軽二輪・小型二輪の手続きを第三者が代理 | 原則不要。支局により求められる |
| 使用者だけを変える(所有者はそのまま) | 所有者の委任状が必要 |
| ローン完済後の所有権解除 | 所有者(信販会社)の委任状 |
委 任 状
私は、下記の者を代理人と定め、下記車両に関する
下記の手続に関する一切の権限を委任します。
【代理人】
住 所
氏 名
【車両】
車 名
車台番号
【委任する手続】
軽自動車届出済証記入申請(名義変更) ※該当するものを記載
令和 年 月 日
【委任者】
住 所
氏名または名称 印
「一切の手続」とだけ書くと、支局によっては受け付けられないことがあります。手続きの名前を書いてください。
よくある質問
手続きの本体は バイクの名義変更(原付は こちら)。書類が足りないときは 書類やナンバーが無いとき へ。